AWC 【ウンコのお話ですが、よろしいでしょうか】88 1・10


        
#673/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (FXG     )  88/ 1/10  13:54  ( 95)
【ウンコのお話ですが、よろしいでしょうか】88 1・10
★内容
わたし、秋本と申します。つまらないお話ではございますが、少々お時間を頂きたい
と思います。
実際あったお話です。わたしの職場に独身の20才ちょっとくらいの若い同僚が二人
おりまして。実は一人のこれは福井出身の方が手にケガをいたしまして入院いたした
ことがございました。もう、退院して戻ってまいったのですが、この時、一人のかわ
いらしい彼女を見つけてまいったのでございます。看護婦さんだそうです。
それからの彼の毎日は人も羨むウキウキとした幸せの日々でございます。
今度、独身寮を出て、一緒に住むんだと今部屋をさがしているところです。
さて、このお話の主人公は、もう一人の、そうですね。実名ではなんですので、仮に
頭文字をとってH君としておきましょうか。H君は神奈川の追浜というところに住ん
でいるのですが。若いのに毎日が酒びたりの日々です。家系なんだそうですね。
親子で晩酌するのが楽しみなのだそうです。そして、この年末、年始にちょっと、
度を越した飲み方をした。
ここからがお話なのです。H君がおととい会社を休むと電話をしてまいりました。
聞くと病院にいくとのこと。日頃頭の弱さと体の強さを自慢しているH君です。
これは職場全員の関心の的となりました。
次の日。つまり昨日のことです。H君は恥ずかしそうにしながら出勤してまいりまし
た。「いやあ、まいったなあ」と呟きながら。
これからあとはH君から聞いたお話になります。
昨日の朝、トイレにいって、いつものように用をすませると、なんと血が出てきたと
いうのです。ウンコといっしょに。フランクフルトにかけたケチャップみたいだった
とそのイメ−ジを表現しておりました。
H君は驚きました。そして、とうとう俺も終わりか。二日酔いのふらふらする頭で思
ったそうです。酒びたりの日々の報いかと。
早速、近くの病院へ。
H君はしかし、ここで考えたのだそうです。病院といえば、そう白衣の天使です。
H君には彼女が今いないのです。若いのに。可哀相です。自分でも、そう思っていた
そうです。とくに同僚が疲労困憊の体で、遅刻し「昨日はちょっと頑張りすぎた」な
んて呟きを聞くに及んで、ますますその(可哀相H君感情)がむらむらと沸き立って
いたと申します。そして、あいつにできて、俺にできない道理はない。
こう思ったといいます。H君は資生堂のディップでギンギンに頭をキメテ出かけたそ
うです。柴田恭平という俳優がいますが、あのヘヤ−スタイルです。
「先生、血便がでまして−酒の飲みすぎじゃないんでしょうか」
H君の説明を聞いていた内科の先生、おもむろに
「血便というのは、血の固まりのことを云うので、君のようなのは血便とは云わん」
おっしゃったそうです。そして
「きみは外科だ」と付け加えられました。
H君は走って外科に向かったそうです。
うすうすお分かりとは思いますが−
「隣の部屋へ行って」外科の先生は内科の先生から電話をもらっていたようで、H君
がいくと、すぐに診察に移る気配でした。
そして、ここに念願の若い看護婦さんがいたのです。顔はイマイチと表現しておりま
した、しかし胸があった−と云います。
「したばきをとってください」白衣の天使がおっしゃったそうです。
「えっ」H君は驚きました。どこを調べるのか、もうその時は覚悟をきめていたそう
ですが、さすがに「今ですか?」訊いたそうです。「今です」おっしゃったそうです。
ですから、H君はえいやっとばかりズボンを脱いだそうで、そしたら看護婦さんが
あわてて、「あの、すみません。そこの診察台の上でお願いします」
恥ずかしかったそうです。そのままの哀れな恰好で、診察台によじ登ったといいます。
「横向きになってください」
「はい」素直なH君でした。
さて、そこへ先生登場。いよいよお話は佳境に入ります。
剥き出しになったお尻に何やらお塗りになったそうです。そして、ちらと見ると
ゴム手袋のようなものを手にはめようとしておられます。
痛いだろうなあ−H君は不安で一杯だったといいます。やさしくしてほしい−
「いきますよお」先生はこう、おっしゃったと云います。
「力をいれないでください。と云っても無理なんだけど、だれでもね」
すっ
意外だとH君は述懐しております。痛くも何ともなかったそうなんです。
まさしく、すっ
そして、ここが大事なことなんですが−とっても気持ちよかったのだそうです。
先生の指がぐにょぐにょと動き回ります。それが、とっても。わたしも、そう云う
時のH君の恥ずかしそうな、うっとりするような、あの顔の表情から、なんとなく
うらやましく思ったものです。そんなにいいものでしょうか。
いい。あれはいい。H君は何度も云います。
側に立っている看護婦さんのことなんか、もう全く気にならなくなっていたといいま
す。この初体験で気がゆるんでしまったのでしょうね。
悲惨な出来事はここから起こるのです。
先生がいい加減指をこねくり回して、診察を終え
そして、その指を引き抜いたところ、
「ああ+;*−@“」
「きゃああ#$&’」
H君はおもわず大量のウンコを放出してしまったのです。
先生と白衣の天使のその声にならぬ驚きの声に、H君はベッドに横たわったままの姿
勢で
「ああああああ」なんて無言の叫びを上げたといいます。
大変なことをしてしまった。H君はやくざ映画が好きです。松方弘樹のファンです。
その硬派趣味のH君がベッドに横向きになった姿勢のままウンコを垂れ流しているの
です。あこがれの看護婦さん。資生堂のディップできめたヘア−スタイル。
柴田恭平。オ−ドリ・ヘップバ−ン。
ありとあらゆるものの価値がこの一瞬に崩壊していったのです。
夢が現実に。希望が絶望に。愛が哀しみに。そして酒がウンコに。
*************

これでH君のお話は終わりますが、会社の女の子に、休んだ理由を訊かれて、H君は
血を吐いてねえ、と答えたそうです。なる程、血が出たことに変わりありません。
この話は絶対ないしょですからね、とわたしに念を押したH君でしたが、それにして
は、その微にいり細にいり喋ってくれた語り草には、もっと多くの人にこの話を聞い
てもらいたい−そんなH君の深層願望があるようにも見受けられると判断。
わたくし秋本がパソコン通信の力を借りて全国ネットで、この話題を提供する次第で
ございます。新年そうそう、ノンフィクションでこのような素敵な話題を提供してく
れた、営業課のH君。ありがとう。そして、最後まで、お付き合い願いました皆さん、
まことに、ありがとうございました。
おりを見て、会社の女の子にも、この話をしてやろうと思っています。歯歯歯!
                     秋本でした−おわります。




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