#672/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (XKG ) 88/ 1/10 1:51 ( 36)
深夜連載小説「イルージョン」(10)クエスト
★内容
サチも悩んでいた。
心をラミに奪われながらも、ルナと深い仲、蜘蛛の卵を産みつけて...
冷静に考えると、ラミは魅力的だが、所詮よその女、性格もはきはきしておっとり
したサチとは合いそうにない。
おとなしく可憐なルナこそ自分に相応しいと思う。が。
サチがひがな一日考えるのは、はきはきとして手応えのあるラミのことであり、
ルナへの思いはその前に霞んでしまうのであった。アー アタマガ イタイ キョウハ ノミスギタ
人間にとって、長期的展望と今したい事との不一致というのは、まったく始末に
おえないことである。アー パチンコ シタイ
それからもサチはラミを追い掛け、デートに誘い、たまにデートしては有頂天に
なっていた。
ラミはサチにキス以上のことを許してはくれなかったが。
では、ルナには会わなかったかというと、サチとしてはそうした方がよいと思って
いたのだが、やはり一度知った禁断の味、ずるずるとデートを重ね、ルナも断るの
がプライドを保つにはいいのに、不安と誘惑に負けてしまい、月夜の浜辺、ヤシの
木陰、深い密林と、ABCが合い言葉であった。
クートはというと、「まあ、そんなもんかいな」といいかげんなことを考えながらも
この若い3人の行く末を案じていた。
クートは野暮なことは嫌いな質で、どうしても彼の手助けがいる時だけ、手を貸そう
と考えていた。
もう少し、この三角関係を書いたほうが、話の深みが出ていいとも思うが、
そうすると、必然的にあぶないことも書くことになってしまうだろうし、
「ノルウエイの森」もあぶないらしいが、ここで書くということはまた本とは
違った面もあるので、やめておこうかなと作者は思っている。
また、話を先に進めた方が、ミッションの恐怖、途中断絶の失態の恐れも
なくなり、秋本さんを残念がらせることができていいとも思う。
などと、作者は酒の飲み過ぎによる不調をごまかそうとしていた。
つづく