#370/3620 ◇フレッシュボイス2 *** コメント #363 ***
★タイトル (AZA ) 18/02/21 20:39 ( 21)
「読むな」を読みました 永山
★内容
読了>まあぷるさんの「読むな」(竹書房文庫『厭結び』所収)
入手できたので、早速読みました。
事前に勝手に想像していたとっつきにくさはなく、むしろ読みやすいくらい。導入部
を経て、作中人物のノートの段に入ると、昔話や絵本によくありそうな語り口になり、
ますますリーダビリティが高まりました。絵本・童話って無邪気で楽しい面だけでな
く、残酷で恐ろしい面も併せ持っているから、案外、この文体はホラーに合っているの
かもしれません。乱歩調に近い部分があるようにも感じました。
物語の方は、急いで無理に怖がらせようというんじゃない、徐々に徐々に、気が付い
たら深みにはまっていた、みたいな怖さのある道行きで、なかなか堪能できました。恐
らく分量の上限があってそのためなんでしょうが、説明や伏線が少々物足りなく、膝を
打つような納得感はやや乏しかったものの、そこはホラーならではのテイストにつなが
っていたとも思います。面白かったです。
あと、“夏も終わりに近い八月”の“一ヶ月前”の出来事、換言すれば七月下旬頃?
の出来事で、生温かいってどんな感じなんだろ?と、想像しづらくて奇異に思えたんで
すが、終盤に来てその疑問が解消されて、すっきりしました。
関係ありませんけど、このアンソロジーのタイトル、てっきり「えんむすび」と読む
ものと信じ切っていました。本を手にして初めて「いやむすび」と読むんだと知った次
第です。いや〜な結び(終わり方)をするから、このタイトルなのね。
ではでは。