AWC 読了>夢乃さんの『紅い瞳と白き巨神』   永山


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★タイトル (AZA     )  17/04/21  19:50  (109)
読了>夢乃さんの『紅い瞳と白き巨神』   永山
★内容                                         17/04/21 19:51 修正 第2版
 御作をいつ読むか分からない旨を記しましたが、やはり一つは早めに読んでおこうと
思い直し、拝読しました。
 で、私、ツイッターに全く不慣れですので、こちらに読了報告をさせていただきま
す。

 読み始めて、ツイッター形式の小説を読むのが初めてのせいか、何だかテンポに乗り
にくく感じました。なので、一旦本作を離れて、まず『ショートショート:ある惑星の
物語』を読んでみました。これはツイッター独特と思われるテンポが作品にマッチし
て、味わいにつながっていたような。作品そのものも、途中で想像のつく読者は多いか
もしれませんが、それでもなお、どうなるんだ?という牽引力のある話になっていると
思いました。

 そうして本作に戻りましたが、やっぱり乗りにくさを感じます。慣れの問題が大きい
んでしょうが、作品によって読みやすい・読みにくいが分かれそうでもありますね。
 そんな具合ですので、特に序盤に読み落としがあるかもしれませんが、とりあえず一
読して気になった箇所(大半が誤字脱字の類です)及び感想をば。

 引用の仕方は、これまでAWCでやって来た形式を採用しています。ツイッターでの
改行が自動的なのか否か把握していないこともあり、引用に当たっては必要な部分を少
ない行に収めることを優先して抜き出しております。

@@引用開始(指摘付き)@@
「師範代ともなれば、以前のような負け方たできまいて」
                   ↑
                  「は」でしょうか

大長老はそんなイーリャを見てニヤニヤと笑った。しかし、すぐ真面目な顔に戻って話
しを続ける。
「そんな訳での、動作可能な巨神というのはそこそこの数が残っている。しかし、お前
も耳にしているように一国に精々一騎から二騎程度しか所有していない。しかし」
 ↑
この一連の文章に、三度の「しかし」は使いすぎのような

光は、神殿の中、北側、イーリャが降りった床と丁度反対の方向を照らすように伸びて
                ↑
               「降り立った」?

「うむ。お前も気付いていたのうに、の」
             ↑
            「ように」?

見下ろす広場の中央で舞踏を披露する自分の姿を想像する。今日贈られた衣装にい身を
                                    ↑
                                 「い」余分?

それだけ言って、アステリアは月面観測に戻った。反射望遠鏡の接眼レンズをいたり、
                                   ↑
                      「覗いたり」もしくは「拭いたり」?

廊下に出たところで、向こうから急ぎ足にい母がやってくる。
                   ↑
                  「い」余分?

騒ぎが起き、黒衣の六人がすべてそちらへ気を取られた時、母はイーリャの手を引いて
その場を立ち去る後にした。イーリャも振り返らなかった。
       ↑
「立ち去り、後にした」だとくどいから、「立ち去ることにした」でしょうか?

朝日のまだ昇りきっていない今、神殿の地下はまだ暗かった。
   ↑_________________↑
  「まだ」の連続が気になりました

イーリャの身体を覆った物と同じものが、頭の覆いかぶさった。
数メユークで周囲の状況を概ね把握して、アリューは行動を開始した。
 ↑                   ↑
確認です。                ここは「イーリャ」?
「ユーク」「メユーク」は別の単位ですよね?
@@引用終了(指摘付き)@@

 他に、「判る」と「解る」を使い分けているのか否か、よく分かりませんでした。
 それと、「たなびく」は髪に使うものではないという見解の人もいると思いますの
で、「なびく」を使う方がいいかも。

 次に、ストーリーその他について。一応、ネタバレ注意です。
 紅い瞳と白い肌と聞いて、最初、吸血鬼物だと思ってました(汗)。
 
 巨神に乗り込むのに時間が掛かるのは、緊急時の対応に致命的な遅延をもたらしそ
う。戦闘民族として有名なくらいだから、巨神そのものの改造は無理でも、神殿に駆け
付けたらすぐさま乗り込める、フェードイン的な搭乗システムがあってもいいのにと思
ったです。もちろん、イーリャの場合は儀式を行う必要がありましたが。

 AWCで言うと、作風は青木無常さんのそれに近いような。憑木影さんと泰彦さんも
かな。少しずつ、硬質さ・怜悧さ・重さ軽さが異なり、それぞれの味になっている感
じ。
 部分的に小説というより脚本を思わせる箇所があって、場面によっては淡泊に感じら
れました。激しい戦闘なのに、物語の流れがそこで止まってしまいそうなくらい。
 一方で、アニメ化した場合を思い描くと、ぴたりとはまるシーンがたくさんあったと
も感じられたです。絵として想像しやすい文章、文体なのかもしれません。
 意識的に視点を選んでいるのは分かりますが、個人的には、ツイッター形式だと段落
や空白行が分かりづらいためか、描写する視点がくるくる入れ替わってるように感じら
れ、混乱しそうになる場面が少しありました。漫画やアニメだと当たり前に使われてい
る手法ですし、一概にいけないとは言えませんが、ご参考までに。

 物語の展開としては、王道パターンの一つですよね。安定の面白さの一方で、驚きは
少なかったかなと。序盤の剣舞と試合のシーンはいいですね。特に、手合わせで剣を消
す手口が、マジシャンみたいで。あ、剣のサイズや形状に前もって詳しく言及しておけ
ば、伏線になって、そういう風に消したのか!とより納得感を読者に与えられたかも。

 納得感と言えば、深夜、湖畔でイーリャとカテナが会う場面は、最初、こんな偶然が
と思ったのですが、あとできちんと説明があってよかったです。
 一方、大長老が襲撃の頃合いを見誤った件には、今のところ理由がないみたいなの
で、納得感不足の消化不良を覚えました。

 一読しての感想は以上です。
 続きが読みたいかと問われたとしたら……今すぐにって訳ではないですが、続きが気
になることは気になります。折角登場した魅力的なキャラクター達を、ほんとにこの回
だけで退場させたのかどうかを含めて。

 ではでは。




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