#1151/1158 ●連載 *** コメント #1150 ***
★タイトル (sab ) 22/10/07 12:37 ( 52)
ニューハーフ殺人事件15 朝霧三郎
★内容
副題:何故アナルをせめられた後は殉死したくなるのか。
N-BOXに戻った頃には、すっかり賢者タイムになっていた。
(何時もこうなると、殉死したくなる。
啓子巡査を守って殉死したい。
何か見るものはないか)
水戸光男は、とりあえず、エンジンをかけてスマホをUSBをつなぐと、
アマゾンプライムで「ロッキー」を再生した。
14ラウンドが終了して青コーナーにロッキーが戻ってきたところからの再生だった。
ここまで打たれに打たれて瞼が腫れあがっている。
「目が見えない、切ってくれ」とロッキー。
「バカ言うんじゃない」と老トレーナー。
「いいやらやってくれ」
「よし、やれ」
瞼を切開すると鮮血がほとばしる。ぷしゅー。
15ラウンドのゴングが鳴らされる。
「止めたら殺すぞ」と言ってロッキーはリングに出て行く。
まずは、アポロのアッパーがヒット。
思わずロープまでのけぞるロッキー。
しかし体勢をたてなおすと、右脇腹をかばっているアポロに、にじり寄っていく。
ロッキーのボディーが効いているに違いない。
ロッキーの左右のフックが炸裂。
身もだえるアポロ。
更にロッキーのボディー。
アポロはジャブを返してくるだけ。
ロッキーは激しい連打。
ロッキー左右に激しく連打。
チャンピオン、ロープによりかかって、ダウン寸前。
まさか奇跡の逆転か。
まさか最後の最後でロッキーが勝つのかー。
しかし、ここでゴング。
「リターンマッチはやらないぞ」とアポロ。
「俺も断る」とロッキー。
「15ラウンドを戦ってどんな気持ちですか?」インタビュワーが迫ってくる。
そんなのは無視してエイドリアンを探すロッキー。
「エイドリアーン」
「リターンマッチは」
「そんなの知るか…エイドリアーン」
「ロッキー、ロッキー」とリングに入ってくるエイドリアン。
「エイドリアーン」
二人は抱き着くと、強く抱擁する。
「ロッキー、アイラブユー」
「俺もだ、アイラブユー」
ここで突然映画は終わる。
(俺も殴られたい)と光男は思った。
(啓子巡査の愛を得る為に瞼をはらして、切開して鮮血を噴出して、
更に殴り合って、そして、啓子巡査の愛を得たい。
なんなら、ここで死んでもいい。
…それにしても、何で肛門性愛の後には殉死がくるんだろう。
どういう回路でつながっているのだろう)