#7951/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ *** コメント #7950 ***
★タイトル (AZA ) 13/11/03 21:06 ( 60)
マジック前に>SLは続くよどこまでも 永山
★内容
引き続き、SLに乗車した話を。
遠景に黒い煙がもくもくと生じ、同時にSLの姿が捉えられる。だんだんと
接近してきて、ぽーっ!!という力強い汽笛が鳴り響き、蒸気機関のこれまた
力強い回転がどっどっどとこちらの身体を震わせる。目の前をゆっくりと通る
SLからは熱気が感じられる。電車のそれとは明らかに違う、「石炭を燃やし
ているんだ、触ると火傷するぜ!」的な熱気。
懐かしい〜。年を取ると涙もろくなると言いますが、私もその類に漏れず、
涙ぐむ(この前のマジックほどではなかったけどさ)。
乗ってみると、すでにほぼ満席。急ぎ旅の人でも、熊本−新八代の一区間だ
けこれに乗ってみるという向きも結構いるそうで、実際、降りた客もそこそこ
いました。が、その空いた席もすぐに埋まった模様。
鉄道オタクっぽい人は多くない。というか、いい歳した大人が鉄道オタクの
ごとく振る舞うためのSL人吉なのかもしれません。男性の大半がカメラを構
えていたし、指定席に収まらず、各車両内をあっち行ったりこっち行ったりし
ていました。
そして、みんな譲り合う。多分、乗客同士で仲間意識が生まれている。振る
舞いは普段と変わりないんでしょうけど、他人にとても優しくなる空間がそこ
にはあった、気がする。
とりあえず、私が注目していたのは黒煙。窓を開けることはできる仕組みで
すが、当然開ける人はいない。目に入ると鬱陶しいし、顔から車内から何から
何まで汚れるので。
煙は簡単には上昇して霧散してくれなくて、風向きやトンネル等の影響で、
低くとどまることもしばしば。だけどね、沿線の住宅を見ていると、洗濯物を
干しているところ、いっぱいある。この日この時間にSLが走ると分かってい
るはずなのに。
一方で、駅で見かけたポスターには、こんな意味のことが書いてありました。
“SLを見かけたら手を振りましょう、SLに手を振る人を見たら乗客は振り
返しましょう”――正確な表現ではありませんが、意味はだいたいこんな感じ。
驚くべきことなのかどうか、この呼びかけが実に励行されているのです。素
晴らしいと言っていい。地域活性化のためとか観光で盛り上がろうとかあるの
でしょうが、それを含めても凄い。道行く人は言うまでもなく、畑仕事や何か
の作業をしていた人達、果ては車に乗っている人まで手を振ってくる。車の人
なんか、手にくまモン人形を持って、だよ。その上、その人達(車は二台あっ
た)、人吉まで着いて来ていたみたい(まさか役所の人じゃないよね。地元観
光協会の関係者?)。球磨川沿いに走る区間では、球磨川をボートで下ってい
る人達も手を振ってくれた。ゴムボートの一艘が、大きな岩に乗り上げてひっ
くり返ってたけど(浅瀬で無事のようでした)。とにかく、この徹底ぶりは気
持ちがいい。
サービスっぷりは車内でも同じで、沿線の見所をアナウンスのみならず、イ
ラスト付きで解説した紙を配布し、乗務員の人が写真撮影に協力する。特産品
のPRもするし、特定の駅では停車時間をたっぷり取り、機関車や駅舎の撮影
タイムあるいはお土産購入タイム、あ、記念スタンプも押し放題。
こうも言われては、しぶちん旅行でも少しは協力しましょうと、焼酎アイス
なる物を購入、三百三十円なり。すぐさま食べてみた。
説明では、焼酎シャーベットとバニラアイスの二層構造と行っていたので、
てっきり、焼酎・バニラ・焼酎・バニラみたいな縦に層をなしているのかと思
いきや、ふたを開けてびっくり。左右半分ずつだった。味は美味だと思います。
シャーベットの方がバニラアイスよりもねっとりしていて、ちょっと不思議な
感じでした。アルコールは一パーセントとかで、ほとんど影響なし。
窓の外の景色は、蒸気、基、上記から分かるように、田園と崖と谷川と橋と
家と道と……まあそんなところです。二時間近くの乗車でしたが、飽きなかっ
た。
あと、お客さんに関して印象に残ったのは、子供連れの割合が高く感じた。
多分、お父さんお母さんが昔乗ったSLを我が子にも体験させたい、という思
いから来るのでしょう。物心ついていないであろう赤ん坊を一人ずつだっこし
たご夫婦もいました。大変そう、なんだけど、ご本人達は絶対に大変と思って
ない顔をしてたな〜。
ではでは。もう少し続く。